女子プロレスの撮影は、会場の暗さ、選手の激しい動き、そして時には撮影場所の制約や、リングのロープなどの障害物など、常に難しい挑戦の連続です。
「もっと選手の表情を鮮明に捉えたい!」
「一瞬のチャンスを逃したくない!」
そんな思いで、今回Canonのフラッグシップ機【EOS R1】を導入しました。
この記事は、僕がEOS R1と共にマリーゴールドの撮影現場で試行錯誤を重ねる、生々しい実践メモです。現場で感じた気づきと反省を交えた「自分なりの最適解」を、会場ごとのログとして追記・更新していきます。
これからプロレス撮影を始める方、EOS R1の設定に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
目次
使用機材・アクセサリー
- カメラ:Canon EOS R1
- レンズ: RF70-200mm F2.8 L IS USM Z
- エクステンダー: RF2X(後方席のみ使用)
- カード:Nextorage BP Pro CFexpress 4.0 TypeB


Nextorage
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基本設定(ベースセッティング)
こちらが現在 EOS R1 で設定している基本設定になります。
撮影モード | マニュアル露出 |
シャッタースピード | 入場時 1/500秒 試合中 1/1000秒 |
絞り(F値): | F2.8(開放) |
露出補正 | ±0 |
ISO感度: | オート(上限: 6400) |
ホワイトバランス | AWB(ホワイト優先) |
サーボAF特性 | Case マニュアル |
AFエリア: | 1点AF |
被写体検出 | 人物 |
瞳検出 | する |
測光モード | 評価測光 |
フリッカーレス機能 | オン |
ドライブモード | 高速連続撮影+ |
【実践後】会場ごとの振り返り・修正ログ
【後楽園ホール】Burning Desire 2025(2025.6.17)
- R6 Mark2 +RF24-240mm F4-6.3 IS USM で撮影。
- 座席は東側最前列。フラットな床。リングのロープ、レフェリー、オフィシャルのカメラマンが多く、ファインダーの視界は良くない。
- 照明はスポットライト照明。
- TV(シャッタースピード優先)モード、シャッタースピード:1/1000秒、ISO感度(上限:25600)、オートホワイトバランスで撮影。
- ISO感度の上限を敢えて高くしたため、ノイズが目立つ写真が多め。リング内を複数の選手、レフェリーがめまぐるしく動くため、狙った選手のオートフォーカスが決まりづらい場面あり。
【ウェスタ川越】Burning Desire 2025(2025.7.5)
- 座席は南側5列目。フラットな床。前方は大柄の男性が多い。ファインダーの視界に頭が入り、条件は非常に悪い。座席は南側にこだわらず、なるべく前が良い。
- 照明は地明かりのLED照明。フリッカー対策必須。
- AFは全域AFに設定したが、選手の追従は良好だが、複数の選手やレフェリーが入り乱れると、AFに迷いが出る場面あり。
- 人物登録機能は良好で、AF機能をさらに快適にしてくれた。
【後楽園ホール】Burning Desire 2025(2025.7.16)
- 座席は南側D席の通路側。通路側は仕事帰りに観戦するときに便利。一方で、会場に早く到着して着席したときは、同じ列の観客が来るたびに、座席を立って通路スペースを譲る必要がある。
- 南側D列は、最前列から7列目。視線の高さとリングの位置が位置がちょうど同じくらいなので、写真は撮りやすい。
但し、南側D列でもリングのロープは写真にどうしても入ってしまう。 - 今回はR1のAFモードを「全域AF」から「1点AF」に変更。これが功を奏し、前回のウェスタ川越のように、AFの迷いが格段に少なくなった。しかも、上下のリングロープのすき間から選手にオートフォーカスを合わせられるのも大きなメリット。
- 入場時と試合中のシャッタースピードを切り替えつつ、ISOオート(上限6400)も概ね良好。ホワイトバランスは3100Kにしようかと思ったが、AWB(ホワイト優先)でも大丈夫そう。露出は-0.3にしていた。
- 連写速度の低下を懸念し、「高周波フリッカーレス機能」はオフにしていたが、空中技の時にモニターが写真に写ると、どうしても画面が縞模様になってしまうので、次回からは「高周波フリッカーレス機能」を有効にしたい。
【新宿FACE】Burning Desire 2025(2025.7.29)
- 新宿FACE で観戦するマリーゴールドは今回が初めて。基本設定の一部を微調整して撮影した。
- 座席は東側最前列。撮影のベストのポジションは、南側のテーブル席。前方の障害物も少なく、撮影しやすそう。
- 新宿FACEは会場が小さくて照明が暗かったが、撮影モード:マニュアル、F2.8、ISOオート(上限6400)でも充分に対応できた。
- サーボAF特性を「マニュアル」から「スペシャル(ネット越しの撮影)」に変更、1点AFと併せてよりAFの精度が高くなったような気がする。特にデメリットは感じなかった。
- 高周波フリッカーレス機能をオンにすると、シャッタースピードを変更するのに手間と時間がかかることがわかった。モニターのないプロレス会場では必須の設定ではないかもしれない。
- 新宿FACEはリングと座席が近いため場外乱闘に注意しないと、カメラやレンズを壊す原因になる。また、試合中も観客の出入りが多いため、常にカメラとの接触を気に掛ける必要がある。
- 全試合終了後、すぐに会場の外に出るよう誘導され、すぐにサイン会や撮影会が始まってしまうため、ゆっくり時間をかけてカメラやレンズを片づける時間や場所がない。最悪、立った状態のまま片づけなければならないので、最初からカメラとレンズを接続したまま収納できるカメラバッグを使ったほうが良いと思った。
まとめ
以上が、現時点での撮影を踏まえた設定メモでした。
この記事は、今後もマリーゴールドの観戦・撮影を重ねるたびに、設定や気づきを追記・修正していく「現在進行形」の撮影メモです。
次回は【8.17 渋谷区スポーツセンター大会】での撮影後に、また新たな発見を加えて更新する予定です。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。