【機材レビュー】ProGrade「PG10.5 Pro Mini」は超小型・低発熱の最強外付けSSD

マリーゴールドのエキサイティングな試合後、撮影した膨大なRAWデータと向き合う時間。

最高の瞬間を最高の形で仕上げたいと思う一方で、Lightroomで現像作業をしていると外付けSSDの発熱が酷くて、動作が重くなり、データの破損が心配になってしまう…。

特に、僕のようにCanon EOS R1のような高画素機で連写を多用すると、データ量は膨大になりがちです。

この時間のかかる現像作業と外付けSSDの発熱問題が、写真活動における悩みの種でした。

そこで、ProGrade Digitalの超小型SSD「PG10.5 Pro Mini」を導入してみました。

結果として、この長年の悩みは大幅に改善され、現像作業が劇的に快適になったのです。

この記事では、この「PG10.5 Pro Mini」がなぜプロレス写真の現像作業に適しているのか、その理由と具体的な活用方法について、詳しくレビューしていきます。

プロレス写真のRAW現像で、多くの人が直面する課題

僕はCanon EOS R1 をメイン機に、女子プロレス団体「マリーゴールド」のプロレス撮影を中心に活動しています。

高速連写を多様するため、観戦した大会によっては1万枚近くの写真を撮影することもあり、現像するデータ量は多いです。

「Lightroom Classic」での現像作業が長くなると、外付けSSDの発熱が酷く、触っていられないほど高熱になることがありました。

作業中のデータがいつ破損してもおかしくないほどの熱さです。

以前まで僕が外付けSSDを選ぶ基準は、価格の安さと持ち運びの軽さだけでした。

軽くて安いSSDのケースを購入し、別のメーカーのSSDを購入して組み合わせる方法です。

おすすめの外付けSSDの選び方を検索すると、上記のような方法がたくさん紹介されていましたが、この方法がいかにデータ破損の危険と隣り合わせなのかを強く感じました。

バックアップがあるとはいえ、作業中の撮影データが飛んでしまうことは絶対に避けなければなりません。

そんな動機があり、辿り着いた究極の外付けSSDが「ProGrade PG10.5 Pro Mini」なのです。

ProGrade Digital
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「ProGrade PG10.5 Pro Mini」を選んだ理由

理由1:優れた携帯性

プロレス撮影では、試合が終わってすぐに写真のセレクトを始めたい場面が多々あります。

例えば、大会後のカフェや、帰りの新幹線の中など、限られたスペースでノートPCを広げることも少なくありません。

そんな時、この「ProGrade PG10.5 Pro Mini」のコンパクトさが非常に役立ちます。

テーブルの上がドリンクや他の荷物で狭くなっていても、このSSDが場所を取ることはありません。

さらに、付属のマグネットを使えばノートPCの天板に貼り付けられるため、ケーブルがごちゃつくこともなく、スマートに作業ができます。

これまでSSDの置き場所に困っていたような場面でも、PG10.5 Pro Mini ならストレスフリー。

この優れた携帯性は、単に「小さい・軽い」というだけでなく、撮影後のワークフロー全体を快適にしてくれる大きな利点だと断言できます。

理由2:ブランドへの信頼感

世の中には星の数ほどストレージ製品がありますが、その多くは一般消費者向けの総合家電メーカーが製造しています。

しかし、ProGrade Digital は違います。彼らは、プロの写真家や映像作家が必要とする、高性能・高信頼性のメモリーカードやストレージに特化した専門メーカーです。

ウェブサイトや製品情報を見ても、そのこだわりは明らかです。単に速度や容量を謳うだけでなく、製品一つひとつに製造番号を刻印し、徹底した品質管理を行っていることが伺えます。

私たちが撮影するデータは、単なるファイルではありません。その一枚一枚に、その日の興奮や選手の感情が込められています。

その価値を深く理解し、プロの要求に応え続けてきた専門メーカーならではの「安心感」。スペック表には現れないこの信頼性こそが、ProGrade Digital 製品を選ぶ決め手となりました。

理由3:信じられないほど低発熱

僕がPG10.5 Pro Miniの性能で特に素晴らしいと感じているのは、その「持続力」です。

試合後に5,000枚以上のRAWデータをMacBook Air に取り込み、Lightroomで1:1プレビューを生成するような高負荷な作業をさせても、SSD本体がほとんど熱を持ちません。

多くのポータブルSSDは、連続で大きなデータを扱うと熱で性能が低下する「サーマルスロットリング」という現象を起こしがちです。

しかし、PG-10.5はプロユースを想定した優れた設計により、長時間にわたって安定した転送速度を維持してくれます。

これは、長丁場になりがちなプロレス写真のセレクトや現像作業において、非常に大きなアドバンテージです。

作業の初めだけ速いのではなく、最後の1枚まで安定して高速なパフォーマンスを維持してくれる。この揺るぎない安定性が、結果的に作業時間の大幅な短縮に繋がっているのです。

PG10.5 Pro Mini が撮影後のワークフローにもたらした変化

利点①:高速なデータ転送

大会が終わって帰宅し、心地よい疲労感の中でPCの前に座る。ここからが第二ラウンドの始まりです。

先日の7.16後楽園ホール大会でも、気づけば9,000枚を超えるRAWデータを撮影していました。Canon EOS R1のデータは、CRAW + JPEGで撮影しましたが、PG10.5 Pro Mini を導入してからは、この最初のステップが劇的に変わりました。

CFexpressカードリーダーからPG10.5 Pro Mini へデータを転送すると、プログレスバーがあっという間に進んでいきます。感覚的には「さて、始めようか」と思った頃にはもう終わっている、という印象です。

この最初のデータ取り込みがスムーズだと、すぐに写真のセレクト作業に移れるため、気持ちが途切れません。

撮影の熱量を保ったまま現像作業に入れる、このスムーズな滑り出しは非常に価値が高いと感じています。

利点②:安定した動作

Lightroomで数百枚単位の1:1プレビューを生成するのは、PCとストレージにとって非常に負荷の高い作業です。

以前使っていたSSDの中には、この作業中に手で触れると「大丈夫か?」と心配になるほど熱を持ち、心なしか動作が遅くなるものもありました。

その点、PG10.5 Pro Mini の安定性は特筆すべきものがあります。先日、7.5のウェスタ川越大会で撮影したデータをまとめてプレビュー生成させた際も、長時間アクセスが続いているにも関わらず、本体はほんのり温かくなる程度。

熱による性能低下(サーマルスロットリング)を全く感じさせず、最初から最後まで安定したパフォーマンスを維持してくれました。

「この作業をさせても大丈夫」というこの安心感は、精神的に非常に大きいです。

高価な機材と、二度と撮れない大切なデータを預けているわけですから、この信頼性の高さは性能の根幹をなす部分だと思います。

利点③:便利なマグネット機構

これは実際に使ってみて「地味にすごい!」と感動した機能です。大会後、次の予定までカフェで少しだけセレクト作業を進めたい、ということはよくあります。

しかし、カフェの小さなテーブルの上は、PCとドリンクでいっぱいです。ここに外付けSSDとケーブルが加わると、非常に手狭で、何かの拍子にSSDを落としてしまわないか気を使う必要がありました。

PG10.5 Pro Mini には金属プレートが付属しており、これをノートPCの天板に貼り付けておけば、SSD本体を磁石でピタッと固定できます。

これにより、SSDの置き場所に困ることが一切なくなりました。ケーブルもすっきりまとまり、まるでPCに内蔵されているかのようにスマートに作業ができます。

特に、プレス席のような限られたスペースで作業する際にも、この機能は絶大な効果を発揮するはずです。プロの現場を知るメーカーならではの、痒い所に手が届く素晴らしいアイデアだと感じています。

利点④:遠征時の負担軽減

カメラ、大口径レンズ、予備バッテリー、PC、充電器類…プロレス観戦、特に遠征時の荷物は、どうしても多く、重くなりがちです。

一つ一つの機材は小さくても、積み重なると大きな負担になります。そのため、私は機材を選ぶ際に「性能は妥協せず、いかに小型・軽量であるか」を非常に重視しています。

その点で、PG10.5 Pro Mini はまさに理想的です。驚くほど小さく軽いので、カメラバッグのサイドポケットや、PCケースの隙間に何の気兼ねもなく放り込めます。

これまでのSSDと比べても、その占有スペースと重量は明らかに小さく、荷造りの際に「どこに入れようか」と悩む必要がなくなりました。

この身軽さは、移動の多いカメラマンのフットワークを軽くしてくれます。負担が減ることで、撮影そのものに集中できる。これもまた、PG10.5 Pro Mini がもたらしてくれた大きなメリットの一つです。

【実践編】Lightroomのパフォーマンスを引き出す、おすすめのデータ管理術

PG-10.5に「Lightroomカタログ」と「スマートプレビュー」を保存する方法

Lightroomの動作速度を上げるための最も効果的な方法の一つが、「カタログファイル」と「プレビューファイル」を高速なストレージに置くことです。私はこのPG10.5 Pro Mini を、まさにその専用ストレージとして活用しています。

設定は簡単です。まず、Lightroomで新規カタログを作成する際に、保存場所としてPG10.5 Pro Miniを指定します。

すでに使っているカタログがある場合は、PCのピクチャフォルダなどにあるカタログ関連のファイル(拡張子が .lrcat や .lrdata のもの)を、丸ごとPG-10.5にコピーするだけです。

重要なのは、Lightroomの環境設定です。「カタログ設定」を開き、「ファイル管理」タブにある「スマートプレビューを自動的に破棄」のチェックを外して、「1:1プレビューを自動的に破棄」を「30日後」などに設定します。 これにより、一度生成した高速表示用のデータが消えにくくなり、いつでも快適なセレクト作業が可能になります。

この設定により、Lightroomは写真の表示や検索といった操作を、すべて高速なPG-10.5上で完結させようとします。これが、動作を劇的に軽くする仕組みの核となる部分です。

元データ(RAWファイル)の保存場所についての考え方

では、撮影した元データであるRAWファイル(私の場合は .CR3 ファイル)はどこに置くべきでしょうか。これにはいくつかの考え方がありますが、僕は「作業中」と「保存用」で分ける方法をおすすめします。

  • 作業中のRAWデータ: 大会後、これからセレクトや現像を行うRAWデータは、PCの内蔵SSD、もしくはPG10.5 Pro Mini のような高速な外付けSSDに保存します。これにより、Lightroomが現像処理などで元データにアクセスする際の速度も最大限に高めることができます。
  • 保存用のRAWデータ: 現像や書き出しが完了し、保管段階に入ったRAWデータは、大容量のHDD(ハードディスク)などに移動させます。RAWデータは非常に容量が大きいため、すべてを高速なSSDに保存し続けるのはコスト的に現実的ではありません。

僕の場合は、PG10.5 Pro Miniに「カタログ」と「作業中のRAWデータ」を入れ、作業が完了したらRAWデータだけを大容量のNAS(ネットワーク接続ストレージ)に移動させています。この運用により、速度と容量のバランスを取っています。

導入前と後での体感速度の違いについて

理屈を並べるよりも、実際にどれだけ快適になったかをお伝えするのが一番分かりやすいでしょう。

導入前は、ライブラリモジュールでグリッド表示からルーペ表示(1枚表示)に切り替える際、一瞬「読み込み中…」と表示され、写真が鮮明になるまでにコンマ数秒の待ち時間がありました。特に高画素なEOS R1のデータでは、この待ち時間が顕著でした。

ところが導入後は、この待ち時間がほぼ「ゼロ」になりました。グリッド表示で写真をクリックした瞬間に、もうルーペ表示で鮮明な画像が表示されています。

矢印キーで次の写真へ移動する際も、まるでスライドショーを見ているかのようにスムーズで、一切の引っかかりを感じません。

この違いは、特に数百枚単位で写真を見比べてベストショットを選ぶ「セレクト作業」において、絶大な効果を発揮します。

以前は30分かかっていた作業が、15分で終わるような感覚です。この短縮できた時間で、より丁寧な現像作業に打ち込んだり、次の撮影の準備をしたりできる。これは、写真活動の質を大きく向上させる、非常に意味のある変化でした。

ProGrade PG10.5 Pro Mini は、RAW現像の効率を上げたい人にとって価値ある選択肢

ここまで、ProGrade PG10.5 Pro MiniがいかにRAW現像ワークフローを快適にしてくれたか、具体的な体験を交えてお話ししてきました。

結論として、この製品は単なる「高速な外付けストレージ」ではありません。それは、撮影後の面倒な時間を、創造的で楽しい時間へと変えてくれる「ワークフロー改善ツール」です。

プログレードの製品は決して安価ではありませんが、それによって得られる「時間」と「ストレスからの解放」を考えれば、十分に価値のある投資だと断言します。

撮影後の作業時間を短縮し、次の創作活動に繋げたい方へ

PCの前で、プログレスバーを眺めているだけの時間ほど、もったいないものはありません。

このPG10.5 Pro Mini がもたらす圧倒的なスピードは、現像作業の時間を確実に短縮してくれます。その空いた時間で、少しでも多く休息を取ったり、次の撮影プランを練ったり、あるいは家族と過ごしたりできる。

現像作業はもはや苦行ではなく、次の創作へと繋がる前向きなステップになるはずです。

遠征や屋外での作業が多いカメラマンの方へ

遠征時の荷物は1gでも軽く、1cmでも小さくしたいものです。

PG10.5 Pro Mini の驚異的なコンパクトさと軽さ、そしてノートPCに固定できるマグネット機構は、そんな私たちの願いを完璧に叶えてくれます。

大会後のカフェや新幹線の車内など、限られたスペースでもスマートに作業できる快適さは、一度体験すると手放せなくなります。遠征の負担を減らし、撮影だけに集中したい、そんな方にこそ強くおすすめします。

推しの一枚を、より快適な環境で仕上げたい全ての方へ

そして何よりも、私たちが撮影した一枚一枚は、ただのデータではありません。

そこには、推し(僕の場合は岩谷麻優選手ですが)が見せてくれた、二度とない感情の煌めきが写っています。そんな大切な一枚と向き合う時間は、本来、心穏やかで、集中できるものであるべきです。

機材の動作の遅さにイライラすることなく、純粋に「この表情を、どう表現しようか」と考えることに没頭できる。

PG10.5 Pro Mini は、そんな理想的な環境を与えてくれます。大切な一枚だからこそ、最高の環境で仕上げたい。そう願う全てのプロレスカメラマン、全てのクリエイターにとって、このPG10.5 Pro Mini は最高の相棒になってくれることでしょう。

次の7.29新宿FACE大会でも、この頼れる相棒と共に、最高の瞬間を追い求めたいと思います。もしあなたがRAW現像の「時間」に悩んでいるなら、この快適な選択肢をぜひ検討してみてください。

まとめ

ちなみに僕は「PG10.5 Pro Mini」の4TBモデルを購入しました。PG10.5 Pro Mini は、購入日から3年間の標準保証が付いており、万が一の故障にも手厚く対応してくれるので安心して使えます。

この3年保証は、ProGrade Digital に自信がなければ絶対に付けない保証です。「PG10.5 Pro Mini」は、究極の外付けSSDだと断言できます。是非、興味のある方はチェックしてみてください。

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トリゾー
マリーゴールドファンの皆さん、こんばんはー!
女子プロレス団体「マリーゴールド」の熱戦に魅せられ、その一瞬の輝きを写真に収めています。

シャッターを切るたびに、心に刻む想いがあります。それは、女子プロレスという文化を未来へ繋ぐ、マリーゴールドの選手たちへのリスペクトです。

写真を通して選手の魅力・感情・ストーリーがもっと多くの人に伝わり、マリーゴールドのファンが日本だけではなく、世界中に増えることを願って活動していきます。

主な使用機材:
カメラ:Canon EOS R1
レンズ:RF70-200mm F2.8 L IS USM Z